裏押さえ

機械式時計において、ゼンマイを巻き上げる→針を回して時刻を合わせる→再びゼンマイ巻上げの位置に戻す、という動作の際にはリューズを引っ張り上げたり押し込んだりします。


20世紀に入ってから製造されたスイス製の量産機に関しては、この一連の動作において、「カチッ、カチッ」とした、けじめ良い操作感をもたらし、誤作動を防止しているのは、「裏押さえ」という部品のおかげです。
(この他、この時計の場合、「カンヌキ」やそのスプリング、「日の裏車」「小鉄車」の脱落の防止も担っています)


裏押さえは操作するたびにこの部品の「腕」のような形のバネ部分は激しく「しなる」ことになりますから、ある程度経年してくると大体は折れてしまいます。