このページでは機械式時計(ゼンマイで動く時計)の作業工程をご紹介します。
工程1:外装のチェック
外装のチェック
針や竜頭・ケース・ブレス・ガラスの傷など
外観から状態のチェックをします。
工程2:分解(裏蓋開け・機械分解)
分解(裏蓋開け・機械分解)
各種パッキンの検査をします。必要時は交換いたします。外装(ケースやガラス・ブレスなど)の分解をします。外装は常に外にさらされているので汚れが付着していることが多いです。その後、内部の機械を分解していきます。時計修理で重要な工程です。ここで、修理箇所の原因の特定・調整箇所・部品の交換の特定をします。
工程3:劣化部品の交換・調整・磨き
劣化部品の交換・調整・部品磨き
工程2で特定した箇所の部品の交換・必要時は調整・錆び付いた部品などを一つ一つ時間をかけて磨き上げます。
工程4:外装洗浄・内部洗浄・組み立て・注油・調整
外装のケースは超音波洗浄を実施します※中には超音波洗浄を避けるものもございます。 分解した部品を 超音波自動洗浄器にて洗浄します。落とし切れない頑固な汚れなどは手洗いにて洗浄いたします。 洗浄してきれいになった部品を組み上げていき、必要箇所に注油をして行きます。注油量や注油箇所を少しでも間違えると時計の精度などに悪影響を及ぼしますので、注意が必要です。 測定器で遅れ・進みなどを検査しながら、時間の精度を調整していきます。
工程5:ケーシング・性能チェック・防水テスト
ケーシングとは分解されていた外装部品を組み上げて、取り外していた針や文字板を取りつけケースに入れることです。文字板や針は例えると人の顔や目にあたるので傷を付けないよう、ほこりが入らないように慎重な取り扱いが必要です。 針回しや日付け変更などを検査します。また、クロノ機能の動きやクリケットのようにアラーム機能が付いているものなど最終的に様々な検査をします。 生活防水など防水性が記載されているものは基本的に防水性をチェックいたします。ただし、アンティーク時計や外装の劣化がある場合などは防水テストは実施しておりません。
工程6:ランニングテスト
4日~5日かけてファイナルテスト機で時計を回転させて時が正確に刻まれているか、自動巻き時計に関してはゼンマイが巻き上げられているかなど実測テストをします。必要時は工程4にある調整を再度実施後ランニングテストを再度実施します。
工程7:修理完成
ひとつひとつ丁寧に様々な工程を経て完成に至ります。
以上が機械式時計のオーバーホール(分解掃除)の大まかな流れになります。