人の力でリューズを回し、「ゼンマイを巻く力」へ替えている手巻きに比べ、自動巻きはローターと呼ばれる半円形の金属部品が重力によって常に地表面に落下する小さな力「重さ≒重力」をエネルギー源にしているので、その構造はやや複雑となります。
ローターが回転すると、まず切替車と呼ばれる2つの歯車がその動きに応じて回転。隣にある減速車とよばれる歯車へ、ギア比を変えることでパワーを増大して伝達されます。さらにその回転力を角穴駆動車で増大させて角穴車を回転、香箱真に設置されたゼンマイを巻き上げるという仕組みです。
上の画像は時計用語で巻き上げ機と呼ばれる部品一式です。
切換車は小さくて細い部品の為、摩耗の進行も早く、ちょっとした湿気などでも簡単に錆び付いてしまったりしますので時計の不具合の原因にたびたび上がる部品とも言えます。時計を長持ちさせるためには定期的にオーバーホールをして潤滑油を切らさないことが大切です。 使用頻度や時計の状態にもよりますが一般的には3-5年毎のオーバーホール(分解掃除)がお薦めですので前回のオーバーホールから年月が経過した時計をお持ちの場合は是非ご検討ください。